事務所ニュース:No.88 2021年10月15日発行

最高裁勝利判決と建設アスベスト賠償給付金法の成立

弁護士 森  孝博

 この間、建設アスベスト訴訟について何度かご報告させていただきましたが、今年5月17日、初の最高裁判決が言い渡され、国と建材メーカーに勝訴することができました。ご支援、ご協力ありがとうございました。
 そして、最高裁判決の翌日、菅義偉総理大臣が原告団代表等と面談して謝罪し、田村憲久厚労大臣は原告団、弁護団、全国連絡会代表と解決に向けた「基本合意書」を取り交わしました。この基本合意書の第3項で最高裁判決時点で未提訴の建設アスベスト被害者に対する補償が合意され、それを具体化する立法措置が講じられることになり、6月9日、「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」(賠償給付金法)が成立しました(来年6月までに施行予定)。
 この法律により、現在の建設アスベスト被災者に加えて、国の推計で今後30年間で新たに発生するとされる約2万人もの被災者も救済対象となりました。同法の成立は、全ての建設アスベスト被害者の早期救済を求めた、13年にわたる建設アスベスト訴訟のたたかいが実を結んだ瞬間でした。
 ただ、この法律でも一部の被災者は救済されず、隙間のない建設アスベスト被害者の救済にまでは至っていません。なにより、最高裁判決で国とともに責任を断罪された建材メーカーが、いまだに係属中の訴訟で責任を争い、賠償給付金のための基金への参加や拠出を拒んでいます。
 これらの点を克服し、建設アスベスト被害者への隙間のない完全救済を実現するため、引き続き建設アスベスト訴訟に取り組んでいく所存なので、今後もご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 (当事務所から小林弁護士、山田弁護士、私が弁護団に参加しています。)

オリンピック・パラリンピック選手村住民訴訟が結審しました

弁護士 千葉 恵子

 晴海オリンピック・パラリンピック選手村住民訴訟が8月31日結審しました。判決言渡期日はおって指定となりまだ決まっていません。
 2020東京オリンピック・パラリンピック(以下「東京オリ・パラ」と言います)は9月5日のパラリンピックの終了で幕を閉じました。本件は、都有地を都議会、財産価格審議会にもかけずに、都市再開発法を濫用して時価の1割でデベロッパーに譲渡してしまったことについて、東京都に対して時価との差額をデベロッパーに対して請求するように求める住民訴訟です。8月31日、原告代表の中野幸則さん、同じく原告の岩見良太郎埼玉大学名誉教授が法廷で意見陳述を行いました。2人は都民の財産である都有地を時価の1割のような異常に低額で譲渡するのであれば、その根拠を議会で説明して都民の理解を求めるべきであったことや、都市再開発の専門家として本件土地譲渡の異常性について陳述しました。大変素晴らしい陳述でした。それに対して、被告代理人は、住民訴訟は住民全体の公益にかなったものでなければならず、本住民訴訟は政治的イデオロギーの主張であって、公益を図るものではない、などと陳述をしました。しかし、原告の主張、本件の本質からみれば、原告らこそ都民の利益を一番に考えていることは明らかで、被告代理人の陳述は的外れな陳述です。
 東京オリ・パラはコロナウイルス感染症の感染拡大の影響で当初の予定での開催は出来ず、1年延期しての開催でした。1年延期しても日本の感染状況は好転せず、さらにオリンピック開催前後から感染者数が増え始めました。国民の健康、安全、アスリートの健康、安全、ベストの状態での参加という観点から、東京オリ・パラの再延期や中止を求める声がありましたが、国民を納得させるに十分な対策が取られたとは言えないまま、開催されました。
 今後、東京オリ・パラについて収支を含めた様々な点からの検証が始まると言われています。選手村についても十分に検討してもらいたいと考えます。
そして、本住民訴訟について公正な判決を求めて引き続き頑張りたいと考えています。ご支援どうぞ宜しくお願いします。
 (当事務所からは、淵脇弁護士、小林弁護士、吉田弁護士、山田弁護士、私が弁護団に参加しています。)

コラム:子育て奮闘記

弁護士 山田 聡美

 3歳(長女)と1歳(長男)を育てています。
 平日は18時頃保育園へお迎え、家に帰って、子どもたちにはトマトやトウモロコシ、サツマイモをあげてつなぎながら、並行して夕食準備。夕食後長男は一人遊び、長女は、なかなか食事が進まず、食べさせてあげてやっと終了。その後長女が「お風呂へ行きたくない!」とぐずるときは、お気に入りのぬいぐるみ(ミッキーやドナルド)(小さめ)を「洗ってあげよう!」と誘ってなんとか入浴(ぬいぐるみはその後洗濯機へ)。お風呂の後は長男が先にトントンで就寝。長女は絵本を一緒に読んでその後みんなで就寝。それまでに、食べこぼしの掃除、食器洗い、翌日の着替え等の準備、部屋のかたずけ(翌日に持ち越すことも)。たまに長女もお手伝い。
 夫と私二人で、子ども担当と家事担当をしますが、長女の「ママがいい!」「パパがいい!」という機嫌にあわせて、くるくると担当を変えながら、なんとか回しています。
 休日は近くの公園や児童館で遊んでいます。また、毎週のように図書館で沢山絵本を借りてきます。絵が素敵だったり、涙が出そうなグッとくるストーリーだったり、親も楽しんでいます。
 長女はキュウリの酢の物とあんぱんが好き。長男は基本的にいつもニコニコでなんでもモリモリ食べます。
 急な発熱などで保育園から呼び出しがあるとバタバタしますが、皆さまのおかげでなんとか仕事ができています。

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